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人間の可能性を広げる ブラインドボクシングとは

ブラインドボクシング。つまり視覚をたよらないでおこなうボクシングという意味です。しかし、ブラインドとボクシングの言葉の関連性からではイメージが湧かないのではないでしょうか。
2018年5月に都内でブラインドボクシング(R)協会が主催する体験会に参加してきました。
会場は有楽町駅から徒歩3分ほどのオフィスビル。なぜオフィスビルなのかはその大き目の会議室に入って分かりました。
そこには大きいブルーシートが広げられていました。なるほど、ここで練習をするのか。会議室はジムへ変化していました。
ブラインドボクシングはブラインドボクシング協会の佐野雅人会長を中心として、日本で発案された競技です。
ルールは細かい点は別にするといたってシンプル。

「視覚障害者の選手は見える物であるトレーナーに向かって一人で攻撃のみをする」と一言で表せます。

つまり、見えているボクシングとは違い殴りあうということはしません。果たしてこれがスポーツ、すなわち優劣を競えるものなのだろうかと思ってしまいましたが、採点方法を聞くとこれもシンプルで納得出来ます。

  • 攻撃力
  • 防御力
  • ファイティングスピリット

ここでは詳しく解説はしませんが、この3つのエレメンツを総合して採点をします。
相手にどれだけ効果的な攻撃が出来たか、ボクシングで重要な相手の反撃を想定した防御がしっかり出来ているか、最後まで戦う意志があるか。ボクシングのエッセンスがここに凝縮されています。
そのポイントを集計し、大会に参加する競技者の優劣を決します。

体験会の最初は用具の説明。グローブや攻撃を受け止めるミットなどを見せて頂きました。
今回、9人の視覚障害者のプレーヤーが参加しましたが、ほとんどインストラクターからマンツーマンで1時間実技の指導を受けました。
担当して下さったのは、村松竜二トレーナー。
何とこの方は事故で左手首に障害を持ちながらも、日本ライトフライ級ランキング1位に輝いたトッププロボクサー!3階級で戦い、「竜の爪」という異名を持ち、恐れられたようです。

どのようにジャブ、ストレート、フック、アッパーなどを打つのか丁寧に論理立てて説明してくれました。
あしたのジョーのようにミットに向かってひたすら「打つべし!打つべし!」です!
しっかりと体重が乗って威力があるパンチが出たときはかなりの感触が拳に伝わります。つまり見えなくても感触で威力のあるパンチが打てたと実感出来ます!

体験会後半では、実際の試合形式に近いスタイルで実施されました。
実際の大会は1ラウンド2分で採点されます。順番が回ってくるとリングを想定したマットの中央にやや緊張しながら入りました。
相手であるトレーナーは、鈴を首につけていておおよその方向が分かります。相手の顔や姿を想像しながらスパーリング開始です。

相手はヘッドギアやグローブでパンチを受け止めます。最初は手探りでジャブをしながら距離感を計りました。30秒ほど過ぎた時に「ワン・ツー・スリー・フォー行け!」と声がかかり連打!
「1分経過!」とレフリーが言い、「まだ1分しか経過していないのか」と今後どう攻めたらいいのか分からなくなりました。手が出なかったり、足が止まったりと、体力の限界まで打ち続けましたがそう続けては拳が出ません。
そしてゴング。今回は採点しませんでしたが、きっと採点はかなり低いと思われます。かなりヘロヘロになります。ボクシングの世界タイトル戦を観ていて、「何でそこで撃たないの!」とは簡単に言えなくなります。
今回の受講者はパラリンピックの金メダリストから70代の方など様々な方が参加していました。
攻撃を受けないので、自分のペースで試合が出来ます。つまりこれは「生涯スポーツ」となりえます。
打ち続け、防御をし、相手に向かっていくのは闘争本能によるものなのかは判断がつきませんでしたが、己へとの戦いとなります。

実際の試合はリングでおこなわれるので、はみ出すこともなく安心して試合が出来ます。
視覚障害者の競技といえば音が重要になるので静かに観戦しなくてはいけないマナーがあります。ただブラインドボクシングの場合は相手が至近距離にいるので周囲がある程度なら騒いでも鈴の音はしっかり聞こえます。この点も新しい視覚障害者スポーツの形です。
パンチの音、鈴の音、足音、セコンドの声。そういう様々な音から選手の動きが分かるので、視覚障害者が観戦するという面白みもあります。
全身の筋肉を使うので、女性のみならず男性もダイエットの効果があるのは間違いないでしょう!
今回が初となる全国大会は5月13日に会長の地元の名古屋でおこなわれ、全国から20人ほど参加しテレビや新聞の取材もあり盛大に行われました。
また8年前から関東、関西、中部で開催している体験会の参加者は200人以上にのぼるということなので、裾野は確実に広がりつつあります。

さらにこの競技の可能性の大きさを感じさせることがありました。試合形式のスパーリングでは見える人もアイマスクをすれば同じ条件で試合が出来る点です。村松トレ>ーナーもアイマスクをして挑戦していました!難しいと仰っていましたが、全力は出していないとは思いますが、重いパンチの音が会場に響いていました。
リングでは自分との闘いが大きいですが、村松トレーナーのコメントが印象に残りました。
「ボクシングは一人では出来ない。セコンドやスパーリングパートナーと共にトレーニングをし、勝利を目指す」人と人との重要性を語っておられました。加えて村松トレーナーの場合、階級はちがうものの、ボクシングを始めてから長年好敵手がいらっしゃり、スパーリングなどをおこない切磋琢磨してきたようです。
そのような好敵手といえば誰もが「あしたのジョー」の矢吹丈と力石徹を連想するのではないでしょうか。きっとブラインドボクシングでも全国大会を目指してこのような好敵手も出てくる選手もいるでしょう。
会長から熱いお話もうかがいました。この競技のここにいたるまでの経緯や、この競技に対する熱い情熱が伝わるものでした。是非、直接会場に足を運んで頂き、熱い思いを感じて頂ければと思います。
日本から世界へ。この競技の発展性を感じる体験会でした。近い将来、グローバルスタンダードになっているかもしれないと思わせる内容でした。

ブラインドボクシングに関する詳細は下記ブラインドボクシング(R)協会のページをご覧下さい。解説した画像もございます。
ブラインドボクシング(R)協会

また弊社では、様々な障害者スポーツを体験して得たものを講習会の中でご紹介しています。ご興味のある方はこちらにアクセスしてお問い合わせ下さい。
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