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石井個人のブログ

全盲ライヴ日記 現代の悪魔の手を持つパガニーニ ギタリスト橘高文彦とは

筋肉少女帯といえば多くの人がご存じだと思う。その筋肉少女帯は全てのプレーヤーが非常に優秀で、その個性がぶつかり合い見事なシナジーを発揮して名曲の数々を生み出している。

橘高さんが筋肉少女帯に加入したのは89年。ラジオで『日本印度化計画』が流れていて衝撃を受けてクールだと感じた。昭和ネタを織り交ぜて難解な歌詞もさることながら、聴いたら絶対忘れない曲。そして何と言っても橘高さんのギターの素晴らしさ!オーケンの歌詞や作曲にもひかれたけれど、ギターキッズだった僕には橘高文彦というギタリストはとてつもなく大きい存在だった。

僕がギターを始めたのは中学1年の時。中学にギター部というものがあってそこで練習をしていた。最初の課題曲はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの『Power of Love』。リフは指3本で出来るので初心者にはうってつけ。

リッチー・ブラックモア、メタリカのジェイムズ・ヘッドフィールド、アイアン・メイデンのデイヴ・マーレイ、ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュ、エディ・ヴァン・ヘイレン、オジー・オズボーンのランディー・ローズとザック・ワイルドなどが僕のギターヒーローだった。

日本のバンドはあまり興味がなく、ラウドネス、そして筋肉少女帯を聴いていたくらい。日本人という国籍にこだわる訳ではないけれど、日本で育ったギタリストといえば橘高さんが他の追随を許さないほどに突出したギターヒーローだった。

当時90年代になると超速弾きが流行し、27連符とか、もはや訳が分からない音楽もあった。速弾きで聴いていたのはイングヴェイくらいか。

当時バンドブームということもあり、筋肉少女帯というともはや神的存在。橘高さんが日本武道館でフライングVで弾いている写真を見るだけで当時学生だった僕はお金もなく行きたくても行けずに辛酸を嘗めていた。
CDは買っていて、橘高さんのギターサウンドとオーケンの歌詞を一人部屋で半ばヒッキーで聴いていた時期もあった。やっぱり合うんですよね、昼間なのにカーテン締め切ってベッドの上で孤独に聴く筋肉少女帯って。

橘高さんが神たる所以は非常に利にかなった演奏で、超速弾きでも正確な16分音符や32分音符を芸術的に弾く。そしてチョーキングアップやビブラートも特徴的。そして代表的なテクとしてピッキングハーモニクスも橘高サウンドには欠かせない。
『イワンのばか』や『くるくる少女』(6/8拍子)の16分音符という超速いリフが展開されるともう橘高文彦ワールドから抜けられない。
こういうイントロやリフを構成するのはスラッシュメタルなどでもあまりなく、世界を見渡しても橘高さんくらいではないか。それだけオリジナリティーに溢れている!
そしてブルース的要素がある叙情的なメロディーと、速弾きを入り混ぜたソロもたまらなく美しい!

橘高さんが作曲した曲が収録された筋肉少女帯のアルバムをいつも発売直後に購入していた。
リリース直後にアルバムを聴くととんでもなく驚かせられる。オーケンの歌詞もそうだが、やはり橘高さんのギターに惚れ込んでしまう。
僕はバンドを組むことはなかったけれど、ヴァン・ヘイレンでもかなり難しい『5150』の薬指が死ぬ複雑なリフをコピーしていたけれど、橘高さんのプレーはコピーをするのではなく『聴き惚れる』という気持ちにさせてくれた。
最初に買った(買って貰った)のはフェルナンデス。その後にクレーマーのヴァン・ヘイレンの5150モデル。フェンダーUSAのサンダーバード。メタリカのジェイムズ・ヘッド・フィールドモデル。最初のフェルナンデスは壊れたけれど、3本はまだ動く。でもフライングVはとても買えない。

その後、失明をして、ロックのライヴにはなかなか行けなかった。スタンディングエリアなどどうしたらいいのか分からず足が遠のいてしまった。音楽はもっぱらクラシック音楽の演奏会に通う日々が続いた。楽器もピアノとギターから一転してチェロに転向した。
ギターも時々は弾いてメタル風キャンディーズとかをやっていたけれど、コピーやオリジナルを一所懸命にやることはなかった。やっぱり楽譜やTAB譜が見れないと複雑なリフを弾くのは難しい。
今では時々BABYMETALの6弦で弾ける『イジメ、ダメ、ゼッタイ』はコピっているけれど、橘高さんのリフやソロは難しすぎて無理。

筋肉少女帯が解散し、一時期橘高さんの音楽も聴かない時期も正直あった。
筋肉少女帯が再結成をして、その後ライヴに行くことが出来て橘高さんのプレーを目の当たりに出来て感涙もの!
ソロ活動といえるX.Y.Z.→Aというバンドの音楽を聴いたのはかなり後。ヴォーカルはあのラウドネスの二井原実、ベースは爆風スランプの和佐田達彦、ドラムスは同じ爆風スランプのファンキー末吉。超豪華メンバー!
遅れに遅れて2017年5月に渋谷のライヴハウスでおこなわれたX.Y.Z.→Aのライヴに初めて行くことが出来た。キャパは300人程度。モッシュはちょっと回避したいのでほとんど最後列の壁際で鑑賞。それほど大きくないライヴハウスで憧れのプレーヤー達が演奏しているのだからもう我を忘れてヘドバの連続!
そして後半になると筋肉少女帯ではおこなわれない橘高さんのギターソロ!もう言葉も出ないくらい感動!学生の頃には全く手の届かなかったライヴ鑑賞が目の前で繰り広げられているのだからシビれます!
目が悪くなってライヴ離れになってしまったけれど、メタリカのヨーロッパツアーに単独で行くなど鍛えられた。しかしその鍛えるということはもっと早くにやるべきだったと反省。
でもそのライヴは夢のような時間を過ごせた!
会場から出ようとすると、女性ファンが誘導してくれて駅まで一緒に行くことに。
「はい、これ今日のおみやげ」と女性は言うと僕の手に小さい物を。何と橘高さんのピック!その女性がゲットしたものを下さった!
その女性は何度もX.Y.Z.→Aのライヴには行っていてピックは何枚かゲットしたようでありがたくも下さりました。数え切れないくらいにライヴに行っているようでゴールドカード的ファン。
「えっ、こんなに柔らかいの!?」というのが橘高さんのピックを触った感想。僕のはもっとミドルクラスでハード。このピックから神がかり演奏が生まれているのだと思いながら大切にバッグの中に。


これが橘高文彦さんのピック!

翌日ファンクラブ限定のイベントがあり参加。メンバー全員が立食パーティーという形式で80人ほどのファンと交流。
参加者全員1人1人がメンバー全員と記念撮影!
当日のシャツは何を着ていこうかかなり迷った。Metallicaでもいいかなと思ったけれど、メンバーの中には受け付けない方もいるかもしれないのでキャンディーズの『ハート泥棒』のジャケットがプリントしてあるオリジナルのシャツで記念撮影!

記念撮影の順番が回ってくるとメンバーは「何でキャンディーズなの?」という雰囲気。
二井原さんが「3人で誰のファンなの?」と聞くと「スーちゃんです」と即答!
記念撮影の写真は肖像権の問題でここには掲載出来ないのが残念。でも超お宝物です!
パーティーは進み、小さいステージにお酒を運ぶ姿が。参加者もかなり飲んで良い雰囲気に。
メンバーが記念撮影会を終えてファンと直接交流が始まった。隣に女子グループがいて「君たちの笑顔がエネルギーになる」と聞こえてきた。橘高さんの声に間違いはない。
緊張していたけれど、ここで話しかけるしかないと思い、おずおずと挨拶。
橘高さんは「キャンディーズ?ハート泥棒?」と初っぱなにシャツのネタ。話すチャンスがあるかもしれないと思っていくつか質問を用意していた。けれど自分も飲んでいて周囲もうちとけている感じだったので思いきって質問!

僕: 「小学校の音楽の授業って好きでしたか?」
橘高さん: 「小学校?好きでしたよ。歌うのも好きでしたから」最初困惑した表情を見せていたけれど明るく答えてくれた。
僕: 「じゃ楽器も好きだったんですか?ピアニカとか」
橘高さん: 「えっ、ギターじゃなくて。ギターはこんなに練習したのに。でも好きでしたよ、ピアニカも」 と笑顔。

こんなすっとぼけた質問にも気さくに答えてくれるギターヒーローは素敵過ぎます!
二井原さんもフランクに接してくれたのも嬉しかった。二井原さんは全盲のギタリストとのコラボもしているので全盲ということにはあまり抵抗がない様子。全盲のブラックジョークも飛び出して談笑。
最後引き上げる時にたぶん二井原さんが肩をポンポンとしてくれたのも嬉しかった♪

そして2017年秋、筋肉少女帯のニューアルバム『Future』がリリース。
何とその中にはギターを中心としたインストロメンタルの曲『奇術師』が入っていて驚愕!叙情的なメロディーが心を揺さぶる。
そして筋肉少女帯の六本木でのライヴで生の演奏を目の前にして聴くともう鳥肌もの!
この曲は橘高さんの筋肉少女帯における一つの到達点かもしれないかなと感じた。本当にそれを生で聴けたのは一生の宝。

でもライヴで橘高さんへのコールってどうすればいいのか分からない。「フミヒコー」とか「キッタカさーんー」とかシャウトしてます!

これからもどんどんライヴに出かけて橘高文彦サウンドを体感していきたい!

キャンディーズインターナショナル株式会社 代表・作家 石井宏幸

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