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Eccentric Blind Historys

--偉大なるギタリスト故藤岡幹大さんへ捧ぐ--全盲ミュージック・ダイアリー コアなヘヴィーメタルマニアがBABYMETALマニアになった理由

2018年1月、悲痛な情報が入りました。BABYMETALの神バンドのギタリストである藤岡幹大さんが36歳という若さで急逝致しました。天体観測中に高所から落下し、懸命の治療も及ばず2018年1月5日に永眠されました。

この訃報を知ったのは情報がネットに出た翌日。BABYMETALファンのバーテンダーさんからでした。にわかに信じがたいことだったので受け止めるには時間がかかりました。知ったその夜は悲しみに暮れて眠れなかったです。

下記にある広島でのライヴがBABYMETALでの最後のパフォーマンスとなってしまいました。それから数日経過しても心の中は空虚です。下記の文章は2017年12月中旬に書いたもので訃報を知る前です。書き直しも検討しましたが、その時の気持ちを表したく、一字一句そのままにしてあります。
駄文なので、失礼にあたる文章もあるかもしれませんが、当時の気持ちなのでご容赦下さい。

BABYMETALでは早々にお悔やみのコメントが英文で出ていましたが、3人は個別には現時点でコメントは出していない様子です。色々なしがらみがあるのかと思いますが、3人も悲しみに暮れているのは想像に難しくありません。

神バンドを含めたBABYMETALを好きになったのはやはり藤岡幹大さんのパフォーマンスがあったからに他なりません。

神バンドに限らず、ソロ活動でもある仮バンドも聴き始めていました。神バンドとは違った超壮絶技巧を織り込んだジャズの要素を入れたクールな演奏を生で感じたいと思っていたところでした。
あまりにも偉大なギタリストを失ったのはこれ以上なく悲痛なことです。

訃報を知ってから数日経過してもBABYMETALの音源は聴いていません。広島などでのパフォーマンスが心の中に響いていて、それを一生忘れないためにあのサウンドを心の中に刻み込みたいからです。
私には出来ることは少ないですが、レジェンドを残してくれた藤岡さんを思いながら数々の音源を聴き続けることこそ残された者にとって出来ることだと思っております。

偉大なギタリスト藤岡幹大さんとそのご遺族の皆様、関係者の皆様に心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2018年1月12日
作家 石井宏幸

「Only the good die young 」(Iron Maden)
「善者のみが若くして死す」 (アイアン・メイデン)
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中学生の頃に友人がヴァン・ヘイレンの『5150』を持っていてそれを聴いてからギターをやるようになった。ギターをやっているとどうしても洋楽を聴くようになっていく。ブラックサバス、オジー・オズボーン、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデンなど枚挙に暇がない。国内で聴いていたのはラウドネスと筋肉少女帯くらいか。

その中でも愛聴したのがメタリカの4thアルバム『...And Justice For All』。その冷徹なまでのリフや歌詞に木星の重力以上に引き込まれた。バスの事故で不幸にも亡くなったクリフ・バートンの死を乗り越えて創られた作品。もちろん1st、2nd、3rdも隅々まで聴きこんでいる。
それからはずっとギターのコピーの日々。
ギターを始めた経緯は筋肉少女帯の橘高文彦さんを中心としたブログに纏めている。

全盲ライヴ日記 現代の悪魔の手を持つパガニーニ ギタリスト橘高文彦とは 

俗に言うメタル4天皇もそうだが、その少し前のイングランドのニューウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィーメタルも愛聴していた。90年頃のメタリカのライヴはお金がなくて行かれなかったが、オジーやジューダスやメイデンは行くことが出来た。メタリカについては2014年にヨーロッパツアーを我ながらクレージーな一人旅で追っかけたレポートが過去ログにあるのでご興味がありましたらご覧下さい!

90年頃のガンズ・アンド・ローゼスもお金がなくて東京ドームの前まで行ってシャツだけ買って帰ってきた思い出もあった。
今回2017年1月にスラッシュが再加入したガンズがツアーをやるということで会場に。オープニングアクトはBABYMETAL(ベビーメタル)。デビューしたてに話題になったのでCD購入していたが、熱心には聴かなかった。特にアイドルとメタルの融合ということでは抵抗がなかった。1人でメタル風キャンディーズを弾いていたくらいだから。スラッシュメタル春一番とか

また、BABYMETALの活動当初はライヴでは演奏するのではなく、音源を流していたのでやはりメタルとして捉えるということは出来なかった。ハードロック・ヘヴィーメタルの原則はライヴ演奏なのだから。そこは絶対に譲られない点。
ただ、2014年1月24日に筋肉少女帯のライヴにBABYMETALのメンバーが飛び入りした時に行かれなかったのは悔いが残る。 

2017年1月にメタリカがアジアツアーをおこなって日本は会場が取れずライヴがなかった。韓国ではBABYMETALがオープニングアクトに抜擢されてかなり行きたかったが家族の反対にあい行かれなかった。
ちなみにこのオープニングアクトの是非について、国内のメタリカのファンサイトは炎上。どちらが正しいという問題ではなく、まずは聞かなければ分からないし、メタリカ自身が判断していることなので僕からは何も言えない。ただ嬉しい出来事ではあった。

★ 2017年1月29日 さいたまスーパーアリーナ
とにかく衝撃的出会いだった。念願かなってBABYMETALをオープニングアクトであるが初体験!
周囲の雰囲気も盛り上がっていてノレる状況。音響はさいたまスーパーアリーナでさほど良くなかったが、彼女らや神バンドの実力を見せつけられることになり、その凄さを実感した。
しっかり聴いていくと単にアイドルとメタルの融合というだけではなく、様々な要素が絡み合ってシナジーを起こしているのが分かる。
やはりビルボード40入りなど海外での評価が高いので逆輸入として聴いたのは大きな反省材料。
調べると『Catch me if you can 』の作曲はNARASAKI。つまりデスメタルなどを手がけている奈良崎伸毅。筋肉少女帯のボーカルの大槻ケンヂなどと特撮というバンドを組んでいる。そのCDは随分前に購入しているので実はかなり前から間接的にではあるもののBABYMETALと繋がっていたことになる。

その前におこなわれた東京ドームのライヴ音源を聴くとやはり迫力が違う。超壮絶技巧を難なくではないだろうが見事に演奏しているのだからBABYMETAL観が変化した。
特に東京ドームの音源の『いいね!』はオリジナルではキャッチーなアイドル風な曲調がライヴではギターが前に出てきてメタル色が強くなっている。
オリジナルも良いけれど、ライヴ感が味わえるのはメタルのバンドの醍醐味!サビの部分の前の打ち込みを高速ピッキングでおこなっているのがグッとくる。

興奮冷めやらぬBABYMETAL初体験レポはこちら。

★ド肝を抜かれたのは、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードと共演したこと。オープニングアクトではなくて、『Painkiller』と『Breaking The Law』を共演しているというにわかに信じがたい事実!ジューダスは91年4月15日の『Painkiller』のワールドツアーで代々木第一体育館で観ている。メタルファンは誰でもが「God of Heavy Metal」と呼ぶ存在だ。
いくらお金を積んだところでメタルの音楽性に共感しなければロブのような大御所がサインをするはずがない。
ロブと一緒にスゥがスクリームしているのだからもうこれは日本のメタルシーンを革命的に変えるエポックメイキング。BABYMETALのティーンエイジのアーティストが神と同じステージに立っているのが信じられなかった。でもここまで登り詰めたBABYMETALと関係者にはもう感謝するしかない。

最初に聴いたBABYMETALのライヴでもそうだが、メタルを聴く上で欠かせない「平伏す」ということが大切だが、やはりこの出来事でも彼女ら3人と神バンドなどに「平伏す」ことになった。

それからはファンクラブとは名乗っていないが事実上ファンクラブの「The One」に加入。ログインIDが同封されているチュニックみたいなデカイシャツがかなりナイス!ファンクラブとしての機能を果たしていないバンドが多い仲、ファンクラブとしての機能を果たしている「The One」はなぜファンクラブではないとこだわるのかがよく分からない。僕のように初心者は「ファンクラブ ベビメタ」とかで検索するのだから、BABYMETALの世界観の設定が影響しているのかファンクラブと名乗らないのは疑問だし、ファンクラブと名乗った方が良いと思う。ただそこには主催者の意図があるのだろうけれど。BABYMATALはフォックスゴッドのお告げでメタルでレジスタンスを遂行するという設定になっている。このことは純粋に音楽を楽しむには少々じゃまになってしまう。ただこういう設定もありかなぁとそれを乗り越えればメタルファンはBABYMETALの世界に比較的容易に入ることが出来るのではないだろうか。
曲としてはやはり神バンドの演奏がたまらない。素晴らしいクオリティーをライヴで表現してくれる。作曲もして欲しいなぁと。
曲はどれも好きですが、『紅月-アカツキ-』や『Amore -蒼星-』のバラード風をメタルにする展開はたまらない。そうすると『No Rain No Rainbow』や『The One』といった正統派バラードが引き立つ。
路線が違うけれど、コミカルさはやはり筋肉少女帯の方がまだ上かな。でも『イジメ、踏み込んだ歌詞です!ダメ、ゼッタイ』の「ポイ捨て禁止」は大好き。
『おねだり大作戦』もABBAの『MONEY MONEY MONEY』』を彷彿とさせるけれど、BABYMETALの方がヘヴィーかつ可愛い!

★ 2017年8月20日 サマーソニック東京 千葉マリンスタジアム
次に行ったのがサマーソニック2017。暑いし、モッシュも嫌なので早めにスタンドの前方で観賞。大阪のセトリを見ていたのでそれと同じだったのは2日行ったファンには少々気の毒だけれど、十分味わえた。
フー・ファイターズのメインアクトと比べると、比較要素が違うにしてもやはりグラミー賞を難度も獲得しているので格が違うと思った。
でも、聴いた後の帰り道ではBABYMETALもフー・ファイターズも同じような心の残響の気持ちのバランスがある。

ここで思った。もっとBABYMETALのスタイルを貫いて長く活動していけばグラミー賞獲得は難しいとしても、ノミネートはあるのではないかと。ノミネートでも画期的なことになるでしょう。
グラミー賞はピアニストの内田光子さん、小澤征爾先生が獲得しているけれど、ロックやメタルでノミネートされたことがない。やはり日本語圏というのがネックなのだろうけれど、BABYMETALは正面切って日本語で勝負しているのでポリシーを感じる。
彼女らの持つポテンシャルを再確認するライヴだった。

★ 2017年9月28日 巨大キツネ祭り in JAPAN さいたまスーパーアリーナ 2日目
ようやく2次応募で当選して行かれることに。
ただチケットを本人照合ということをやらないと入れない。全盲だとスマホや画面のプリントアウトが難しいので主催者に交渉。その後、視覚障害者にはプリントアウトが難しいなどということを説明したメールを送ると、改善していきたいと前向きな言葉を頂いた。
このように照合しなくてはならないのは違法的チケット転売防止なので、事務局と共闘していかなければならない。

ライブは非常に完成度が高かった。アルバムを忠実に再現していくという彼女らの意図が伝わってくる。ただライヴ感というのがやや薄くてあまりにも完成度が高いという贅沢な感想。完全至上主義とは違うだろうけれど、とにかくミスピッキングとか目立ったものがない。
それは70年代のディープ・パープルのライブでリッチー・ブラックモアがソロで変化をつけるのとは違い、アルバムを尊重して弾くというこの点はかなりの相違点がある。
BABYMETALのライヴでの演奏スタイルは70、80年代とは違うというのを念頭にいれなくてはならない。

★ 2017年12月3日  広島グリーンアリーナ
LEGEND - S - 洗礼の儀 
今回は特別ライヴ。愛しのスゥが20歳の誕生日を迎えるので、出身地の広島でのライヴが決定!
さいたまスーパーアリーナでも意味ありげに次回予告を示すようなアナウンスが。巨大きつね祭りの最後でどどーんと広島でのライヴが決定とアナウンス!
行かれなかった大阪公演で広島での開催が決まったとツイッターでのコメントを読んでとりあえずは安いホテルを速効確保。チケットが外れたらホテルはキャンセルすればいいので。
しかし、ななんとチケット料金は20000円!もはやウィーン・フィル並。
新成人は2000円ということで彼ら彼女らの分もこちらが負担するのかなと、そこは共感出来た。
速攻1次を応募。ところが1次は落選。20000円でも落ちるのかと驚き!
すぐさま2次が発表になって応募すると2日目だけ当選!悩んでいたけれど思い切って行くことに。


配られた三種の神器 きつねマスク マント ネックレス

これが今回の三種の神器

ライヴの前には三種の神器というマスク、マント、ネックレスが配布された。メタルでは「全体主義」が必要なのでこういうコスチュームを着るのも大切なのでしょう。
ただ、2万円も払うファンが集うのだからかなりのコアファンが周囲にいると想像出来るので馴染めるかは若干不安だった。でも毎日のように東京ドームライヴの音源を聴いていたので一緒に盛り上がることが出来た!
しかしなんと2017年12月 2日(土曜) 15時41分にこのようなメールが届いた。
「YUIMETALが体調不良により、本公演への出演が難しいと医師から診断された為、残念ながら二日間ともライブへの出演を見送ることにさせて頂きました」
もうライヴ開始直前のアナウンス。ユイファンにとってはかなり残念だったに違いない。
恐らくDVDの収録を考えていたと思うのでアミューズにとっても打撃だと思う。
明らかなブーイングは会場ではなかったけれど、帰り際に「ユイが出ないとなぁ」とこぼしている人もいた。
急な発表だったので対応が非常に難しいとは思うが、次回ライヴに来た時に当日のチケットを見せればキャッシュバックやポストカードなどを配るサービスも出来たのではないだろうか。
BABYMETALはMCをおこなわない演出だが、「今回はユイが出れなくてすみません。でも2人で頑張ります!」というようなMCを入れたらファンも納得するのではないだろうか。僕はそういうMCはいらないと思うけれど、そういう声も挙がりそう。今後も長年やっていけば病気や怪我も必ず発生するのでリスクヘッジを考えていった方がいいのは間違いない。それはどのアーティストでもあることなのだから。

さてライヴ。場所は下手のスタンド中央。始まってみると驚くほど音響が良い!ライヴ用の耳栓を持って行ったが使わなかった。本当に適度な音量で感動!ギターのピックを擦りつけるようにグッと弾く音もはっきりと聞こえる。最強のPA!
相変わらずスゥの歌声は冴えていた。モアも2人分歌うなどユイ不在のライヴを支えていた。急に変更になってもフレキシブルに対応するのも彼女らの力か。
初日と2日目のセトリは同じ。急遽2人体制になったのだから致し方ないか。
やはり神バンドは僕にとって神なのでどうやってコールを入れたらいいのか分からなかったけれど「神バンドー!」とシャウトしてました。
エンディングに近い『ヘドバンギャー!!』では「15の夜を」を「20歳の夜を」と変えていて会場も盛り上がる!あちこちから「おめでとう!」と暖かい声援が飛ぶ!僕も今夜、共に過ごした20歳ちょっと前の夜は忘れないでしょう。
最後の『The One』ではさいたまスーパーアリーナでは間も開けず直ぐに演奏されたけれど、今回は少し間を置いて演奏。前者だとアンコールあるいはエンディングというカタルシスがあまり感じられないので今回の方がかなりベターな演出。
東京ドームライヴのように「We are BABYMETAL!」とコールアンドレスポンスは入れて欲しいなぁという印象。

驚いたことに後ろの席には小学3年か4年生の男子が。「えっ、20000円の席なのにどういうこと?」。話しかけるきっかけがなかったので分からなかったけれど、お父さんがメタル好きなのか、もしかしたら関係者のお子さんかなとも思ったり。メタリカのラーズも小さい頃にディープ・パープルを観ているので、その男の子も良いメタルプレーヤーになって欲しいところ。
安価で聴ける新成人の姿はほとんど見られなかった。アナウンスがリーチ出来なかったのか、元々ティーンエイジのファンが少ないのか。恐らく前者でしょう。東京や大阪だったらかなり集まったと思うけれど。

総括すると20000円払っても聴く価値があるライヴだった。

デビュー当初のスゥはやや単調というかメタルを可愛らしく歌うというのが前面に出ていたけれど、デビューから数年経過してホント惚れ込むような歌声でライヴで聴かせてくれる。こんな逸材はそう出るものではない。

その美しくもメタル的力強さの歌を支える神バンドも僕のようなメタルファンには欠かせない存在。とういうか神バンドがいなければここまでBABYMETALを好きにならなかったのは自明の理。時々全部はもちろん弾けないけれど部屋で『イジメ、ダメ、ゼッタイ』のコピーをしている。他の曲は7弦が必要になるのでESPのシグネチャモデルを欲しくなる。
BABYMATALのファンを長くやっている方々からすると当たり前のことかもしれないが、4Bigなどのメタルを多く聴いている僕がBABYMETALを愛聴するようになったのは彼女らへのリスペクトと共に彼女らの成長を追いかける喜びよのようなものがあったからに他ならない。
YUIMETALもMOAMETALも可愛いし上手いので、3度5度などのハーモニーが展開する歌も期待したい。きっと彼女らのポテンシャルなら出来ます。方向性が合ってるかは分からないけれど。
3rdアルバムも直ぐに出すのではなくじっくりと創って欲しい。そして3人のプライベートの充実もはかってBABYMATALの活動を続けて欲しい。

未だにBABYMETALには賛否があるが、ライヴに行くと必ず印象が変わるので、多くのメタルファンに行ってもらいたい。
もちろん彼女らの歌やダンスから入る方法もある。ベビメタルは様々な入り口があるのがメリットなので、人それぞれの入り口から入るといいのではないか。
2017年は僕のようなメタルマニアがBABYMETALマニアに変わった1年でした!

2017年12月

作家 石井宏幸
 

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