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Eccentric Blind Historys

全盲観劇ダイアリー 初体験!唐組! 『動物園が消える日』

2017年10月/11月
ついに唐組に突入!ここまで来るのが長かった。
というのもアングラの演劇は昔から興味があった。もう20年以上前の話。寺山修司の戯曲や詩を読んでいた。
そして唐組を象徴する紅テントの存在も知っていた。
けれど、アングラは難解、怖いという先入観があってなかなか足が向かなかった。
失明してやはりビジュアルで訴えるものが多いので更に足が向かなくなってしまった。
しかしながらここ数年、演劇を観ることが多くなり遂に紅テントに向かった。
また、演劇をもっと知りたいと思って、2017年2月水戸芸術館で3日間演劇のワークショップを受けた。その時のテーマはアングラ。やっていて大変だったけれど楽しかった!
そして更に免疫力をつけるために唐十郎著『佐川君からの手紙』を読破。実際に起きたカニバリズムの事件を題材にしていたけれど、非常に印象深かった。

AkaTent
写真:紅テント

これが唐組名物であり神聖な場所の紅テント!(場所は鬼子母神)
『動物園が消える日』はしばらく振りの再演。唐組をアングラだけと定義するのも違うかもしれないけれどやっぱり緊張する。
場所はお茶の水の明大横の公園。当日は雨。10月下旬ということもあり、ちょっと寒いのでタイツを装着。これが正解だった。ベンチに座ってみたいので最後列を前もって予約しておいた。出入り口が近いので風が入ると少し寒い。

舞台が始まる前には観客を誘導する声が凄まじく大きい!とても演劇の前とは思えない。スポーツとも違うし他に比較出来るものがない。もう開演前にステージは始まっている雰囲気。

ストーリーは閉園してしまった動物園のスタッフが偶然?にホテルのロビーで再会していくというもの。なぜか2階にはカバのドリちゃんがいるという。
閉園しても心の中に動物園の灯火が消えないというノスタルジックプラス現在進行形のストーリー。
とはいっても正直よく分からない展開も多かった。
でもセリフの一つ一つは興味深くて印象に残る。そして全体の流れはコミカルなシーンが多く、これは初心者向けにはうってつけの演目ではなかったのではないだろうか。
劇中にリアルに雨が降ってくる。こういう展開は話に聞いていたけれど、実際に目の前で起こると何か興奮する。最後前方にいた観客にはタオルを配っていた。慣れたら前方で観れるくらい度胸がつくかなと思ったり。いやきっとそれは数年後だろう。
終演後御茶ノ水駅に歩いて行くと観劇した人が誘導をしてくれた。
「もうテントも4代目ですからね」と女性。「そうするともう古典芸能の領域ですね」と僕。駅まで談笑がしばらく続きました。

なかなか濃い演出だったので11月に再び唐組へ。今回は池袋に近い鬼子母神。
少し前に着くとテントの中からゲネプロをしている声が。唐組の発声方法は素人目に見てもかなり独特。その声はテントの外まで聞こえていました。

東京音大
写真:東京音大

近くを歩いていると東京音楽大学を発見!ちょっと覗いてみると学園祭をやっていた。丁度歌合戦をやっていたのでちょっと聴いてみた。さすがに音大だけはあって上手いグループもいたが、ええっという感じのグループもいた。聞くと木管の人らしい。歌は必須科目か分からないけれど、音大生が全て歌が上手ではないと何か安心。

テントと旗
写真:テントと旗

開演時間前になると、ちょっと仕事をした帰りなのでバッグが重たかったけれど、スタッフさんがホテルのボーイさんみたいに席まで運んでくれた。演劇のレベルもホスピタリティーもかなり高い。

唐組、再び観劇スタート!今回は少し免疫力もついたので少し落ち着いて観劇。
でもやはり難解。でもなぜか心にグイグイと入ってくる。
終演後市電を使わないと帰れないのだけれど乗りなれていないので、家までは近いのでタクシーで帰ることに。終演直後というのに役者さんが誘導してくれた。

ここで質問タイム。
「唐組初心者に観劇をするに当たって何かアドバイスをお願いします」
「ストーリーを追うばかりではなく、シーン、シーンを楽しんでもらうのも良いと思います」

なるほど。そう言われると数分のシーン、シーンは心に残っている。
談笑しながら明治通りでタクシーに乗車。「また来ます!」と言ってお別れ。
次はやはりホームという印象がある花園神社で観てみたい!

作家 石井宏幸

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