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Eccentric Blind Historys

ベビーメタル

かなり遅れたが初BABYMETAL体験!

メタリカを筆頭にヘヴィーメタルを愛する私。BABYMETAL(ベビーメタル)を知ったのは2012年。デビューして間もないころ。アイドルとヘヴィーメタルの融合という点では興味はあった。しかし数曲を聴き込んだものの、しばらくは音楽プレーヤーの底に眠っていた。というのもほとんどJ-POPSを聴かない私なのでそのJという枠というスタンスで捉えていたのでじっくり聴くことが少なかった。またヘヴィーメタルからの視点においてはデスメタル、あるいはスラッシュ系としてはやや単調な点も否めなかった。なかなか2バスの多様には馴染めなかった。歌詞の奇抜さにおいては筋肉少女帯にはかなわないのではと当時は思っていた。

2013年のサマーソニックではBABYMETALが出演するという情報を得たが、やはりメインアクトのメタリカやその前におこなわれたリンキン・パークに集中してしまったのは反省材料だ。主催者もBABYMETALをメイン会場のマリンスタジアムでやらなかったのは反省材料として挙がったかもしれない。

ヘヴィーメタルはそう造詣が深い訳ではないが、アイアン・メイデンやダイアモンド・ヘッドを筆頭としたニュー・ウエイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィーメタルやメタリカ、メガデス、スレイヤー、アンスラックスのBig4を13才の頃から聴いてきた。ギターもその頃始めコピーをする日々が続いた。そして、愛するキャンディーズ。キャンディーズをアイドルだけという枠でとらえることは出来ないが、キャンディーズはアイドルという面は確かに持ち合わせている。トリビュートバンドまで出来るスキルは全くないが、楽しみとしてキャンディーズをヘヴィーメタル風に弾くということは前からしていた。

レディー・ガガのオープニングアクトに抜擢され、BABYMETALの快進撃が始まった。様々な大物アーティストと共演したという情報は少しではあるが入っていた。そして、知人が東京ドームのワンマンに行ったという話しを聞いた。そのニュースは事前に知らなかったので完全に出遅れた。

噂では2017年にメタリカの日本公演の際、BABYMETALがオープニングアクトとして起用されるのではないかということがささやかれていた。メタリカは2017年1月にアジアツアーをおこなったものの日本にはくることがなかった。調整はしたようだが箱が押さえられなかったという情報も。オリンピックの余波もあるのではという話も。そして2017年1月に韓国・ソウルにてメタリカのオープニングアクトとして起用された。驚いたものの、ついにその日がきたかという思いだった。BABYMETALがメタリカのオープニングアクトに決定したニュースが流れた後、メタリカのファンサイトは賛否が入り交じり炎上した。もはや時代は進み、「起用」ではあっても「抜擢」ではなかった。そのライヴに行こうと画策したが叶わなかったのは残念である。

そして、2017年1月にスラッシュが再加入したガンズ・アンド・ローゼズのオープニングアクトとして出演することが決まった。初日を観ようと思っていたので楽しみだった。それからは1stと2ndアルバムを聴き込んだ。聴いているうちにアレルギーが少しずつ消えていった。

2ndアルバムの『METAL RESISTANCE』はビルボードベスト40に食い込むほどの人気だった。日本のアーティストが受け入れられることがまれであるのはもちろん、ヘヴィーメタルの勢いが近年衰退しているこの時期では異例だ。

ヘヴィーメタルの図式は1つの見方として簡単に書くとメロディー×リフ×リズム=ハーモニーとなる。メロディーはJのメロディアスな雰囲気とアイドルの雰囲気をかもし出している。プログレのようなリズムの変化は少ないものの、デスメタルの雰囲気は出ている。リフも特徴的なのはやはり少ないように思われるが引きこまれる点は確かにある。それぞれのインストロメンタルは速い16分音符でも乱れることがない。速引きのテクニックにおいては正確無比なピッキングで非の打ち所がない。

上記のような図式で見事に融合したのが『イジメ、ダメ、ゼッタイ』であろう。ピアノのバラード風のイントロで始まる。そしてSU-METAL(スウメタル)の高音域の歌が入る。メロディーはJのメロディアスな旋律を蹈襲しているように思われる。そのJ独特の旋律がヘヴィーメタルの雰囲気に非常にマッチしている。歌詞についてはタイトルが表すように人が抱える暗部を表現されてある。そしてBABYMETALならではの「ポイ捨て禁止」も光る。人間関係をポイ捨てしないようにという意味だろう。リフも説得力がある。そしてギターソロも速いパッセージを使っているものの叙情的に響く。

BABYMETALをよくアイドルとヘヴィーメタルの融合と表される。しかしアイドルという路線に加えて、J独特のメロディアスな面も融合している。そういう多くの面を兼ね備えているのでオンリーワンと言われるのだろう。決してアイドルとヘヴィーメタルの融合という一言では片付けてはならない存在だ。

彼女らがあがめるキツネ様も最初は違和感があり「・・・」だったが様々なインタビューを読んでいるとこちらも馴染んできてしまう。聖飢魔IIのようにそのバックグラウンド(設定とは言わない)はメジャーになるだろうか。

ガンズ・アンド・ローゼズの初日を迎え会場であるさいたまスーパーアリーナへ。期待が高まるオープニングアクトはBABYMETALではなかった。慌ててスタッフに聴くと2日目に登場するということだった。聞くと2日目は当日券があるのでそこにかけることに。ガンズのパフォーマンスも素晴らしかったので2回聴いても損ではない。

そして、2日目。当日券売り場に並ぶと長蛇の列。見る見るうちに安い席から売り切れていく。残りはSS席とVIP席。VIP席になると予算オーバーなのでヒヤヒヤしていたが16000円のSS席を購入。しかしそれでもやはり高い。信じられないくらいにBABYMETALのグッズが高騰しているので物販に並ぼうと思っていたが長蛇の列。一部シャツが2万円で取引されているのは異常。

ヘヴィーメタルを聴くスタンスとしてアーティストにひれ伏すということが重要である。いつでもヘヴィーメタルのバンドは神である。果たしてBABYMETALはどういうスタンスで聴けばいいのか判断がつかなかった。

暗転するとスター・ウォーズのオマージュである「A long time ago,in a Metal-galaxy far,far away.」というMCが流れる。そして開演。オープニングは『BABYMETAL DEATH』。会場はかなりの盛り上がり。そして最後は不朽の名曲『イジメ、ダメ、ゼッタイ』。オープニングアクトの重責を見事にこなしていた。いや、もう重責ではないのだろう。

上記のヘヴィーメタルの図式に激しいダンスが加わるのだから恐れいる。ヘヴィーメタルの原則としてライヴでの演奏があるが、ステージでは華やかに再現されている。デビッド・リー・ロスのように剣を使ったダンスパフォーマンスはあるもののここまで徹底しているバンドは希である。

無理にひれ伏さなくても、可愛いと素直に感じ取ればいいのではないだろうか。それはおっさん視点だとしても。ヘヴィーメタルで必要なひれ伏すという行為をしなくてもいいBABYMETALはその点において新しいヘヴィーメタルの形ではないだろうか。アイドルが好きな10、20才代がヘヴィーメタルを聴くきっかけにもなるであろうし、購買層の多い40、50才代も最近のJに触れ合うきっかけともなる。

ライヴを観て、SU-METALはさすがの歌声だった。アイドルという枠になるが、高音域での力強さに異を呈する人もいないであろう。そして2ndではハーモニーやビブラートを入れるなど進化をしている。

日本出身で世界に評価されたヘヴィーメタルのバンドはやはりラウドネスであろう。世界でのBABYMETALの評価は時代の流れや音楽性やコンセプトにおいて一概には比べられない。各国でのライヴ音源を聴くと、『いいね!』に代表されるように言語が違うが「いいね!」とオーディエンスがスクリームするのはやはり嬉しい。アメリカの評論家が無理に英語にしないところが良いというのだから時代の流れを感じる。ライヴでの『イジメ、ダメ、ゼッタイ』の前には英語でMCが流れるものの、「カロウシ」のように「イジメ」が日本語で有名になって欲しくはないが。

そしてライヴが収録された『LIVE AT WEMBLEY』のDVDを購入した。最初はフェスか何かでウエンブリースタジアムで開かれたのかと思ったが、ウエンブリーアリーナだった。ウエンブリーには1度目は古いスタジアムでのサッカー・イングランドvsブラジル。新しいスタジアムになってからは仕事でFA(イングランドサッカー協会)へ訪問したのみ。ウエンブリーアリーナはロンドン・オリンピックの会場になり、ボブ・ディランやU2やマドンナも演奏している会場。ロンドン中心部から30分以上はかかる立地で12000人も動員したのだから驚かされる。プロモーションの費用は莫大かと思われるがそれ以上の効果があったのではないか。贅沢な話ではあるがライヴ盤としては荒さが少ないので多少の臨場感が欠けていると個人的には思ってしまう。ただ、再現能力としては極めて高い。インストロメンタル陣のソロも見逃せない。ギターの速引きが目立つABYMETALだがベースのソロで超壮絶技巧を披露している。そして後半で展開されるコールアンドレスポンスの盛り上がりや、『ギミチョコ!!』での会場が一体になった大合唱では鳥肌が立つ。英語で熱心に伝えようとする姿も愛らしい。『メギツネ』における『さくらさくら』やペンタトニックのメロディーは日本を表しているとしても「コガネムシは金持ちだ」というメロディーは世界にどう映るのだろうか。

ヴァン・ヘイレンの『Van Halen』やガンズ・アンド・ローゼズの『APPETITE FOR DESTRUCTION』のように1stアルバムで全てをやってのけるモンスターアルバムがある。BABYMETALも時代を切り開いたという点で1stアルバムの『BABYMETAL』はヘヴィーメタルシーンにおいて重要になるだろう。

まだ19才の女性達。日本が世界に誇るバンドではあるが、彼女らにその期待を全て負わせるのは酷であろう。「アイドル」という枠にせよプライベートの時間も成長には欠かせないのではないだろうか。キャンディーズは彼女らが描いた将来と現実のギャップに大変苦しめられた。プライベートの時間などほとんどなかった。そういう意味においては現在の過酷なスケジューリングにはいささかの不安を抱く。

所属しているのはアミューズ。現会長は創立者である大里洋吉。大里洋吉は辺プロ時代はキャンディーズのマネージャでライヴなどの現場の管理をしていた。キャンディーズはスタジオのみならずライヴパフォーマーとしても一流だった。そしてパヒューム、BABYMETALと続くのは女性3人のユニットという形式。いずれも時代を切り開いたミュージシャン達だ。強引に関連づけをするならばキャンディーズが『やさしい悪魔』で披露したデビルサインはパヒュームでも似た形が取られ、BABYMETALのキツネサインと続いているのは考え過ぎだろうか。

BABYMETALではファン・リスナーのことをメイトと呼称する。遅れてきたメイトとして今後の彼女らの活動を応援していきたい。

2017年1月29日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

  1. BABYMETAL DEATH
  2. ド・キ・ド・キ☆モーニング
  3. Catch me if you can/li>
  4. メギツネ
  5. KARATE
  6. イジメ、ダメ、ゼッタイ

作家 石井宏幸

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