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アフター・オリンピック・パラリンピックを歩む会

深刻な東京の視覚障害者のスポーツ環境

2020年に東京にオリンピック・パラリンピックが開催することが決定した。当然ながらパラリンピックを目指す選手は多いと思う。しかしながら「スポーツ」をやる環境が極めて少ない。そのような環境で本当に東京で開催する意義などあるのだろうか。

以前はスポーツマネージメントに長く携わっていたので、東京に土地が無いのは重々分かっている。しかし観る環境、やる環境が残らなければ単に一つの打ち上げ花火で終わってしまう可能性も否定出来ない。
都内の小学校の校庭では放課後にボールを使った遊びは禁止というのは珍しくない。場所が無いのであれば臨海地域には子供は無料で行けるパスなどを発行して大人からは交通費入場料を徴収するなど子供が楽しめる環境がないと裾野のひろがりがみせないことが懸念される。

そして、山手線沿線では非常に大きい三菱養和が経営するジムに入会しようとしたところ、「全盲は入会することが出来ません」と受付であっさりと門前払いをもらった。なぜ断ったのかをメールを頂きたいと送ると後日にアポイントメントをとり、施設のスタッフの二人と2013年12月に施設に向かい話し合いを行った。

ここでは法務局の見解では「公共性があること」、「事実に基づくこと」がウェブサイトに掲載する条件と聞いたので、それに沿って記述をする。
また「障害者」という言葉を使用するが、これは政府が決めたガイドラインにすぎないと解釈している。なぜなら「障害者手帳」を持たないでも就労をしている人は友人に数人いる。ここでは「便宜的」として「障害者」という語句を使用した。「障害者」と「健常者」のボーダーは誰が決められるのか。ここでは「障害者論」を記述すると長文になるので割愛するが大きな問題意識として念頭に入れなくてはいけないことを先に述べておく。

本来ならばこんなことは書きたくないのだが、何もしないと変化は起らないので、こちらとしても書かざるをえない状況なのでその内容を以下に記述する。
訪問した施設は以下の施設。山手線沿線ではサッカーのグラウンド、プール、ジムなどを完備していてかなり便利な施設である。山手線の駅から徒歩1分程度なので視覚障害者にも通いやすい施設なので入会をしようとしたが断られた。ロジカルでクリアな回答が無い場合ウェブサイトに掲載すると施設側にも伝えてあるのでここに記述する。

会場名  東京・巣鴨 公益財団法人三菱養和会 巣鴨スポーツセンター
会議日程 2013年12月7日
利用形態 デイタイム会員(夜は三菱グループの関係者のみが使用可能)

Q 見えないからといって受付で断った理由は何か
A 構造が複雑なのと、従業員が眼をくばれない理由から。高齢者も断ることもある。またバイクで人が並んでいる時に空いているか分からないから。

私の見解 施設の見学もそのミーティングの時も無し。危険な個所とはどこなのか、説明は全く無し。ダンベルなどの危険なものは使わないと言ってエクササイズバイク(エアロバイクは商標登録されている)やランニングマシンをやらせて頂ければ充分ということを伝えていたが、以上のような回答だった。最も安全な器具であろうエクササイズバイクをステレオタイプ的に危険と判断する態度に大きな憤りをおぼえる。

Q 最初に入会を申し込んだときに施設内を見学して、インフラやスタッフ不足などの理由もなく案内窓口で詳しい説明も無く断った理由はなぜか。
A 上記の理由と同様。

私の見解 最初に受付の人とは社会福祉事業団の方と行ったので、スタッフが案内して、ここが危険だからという理由も全く無し。福祉の専門家が同行していたのだから、説明を頂きたかったところだ。完全なバリアフリー施設など東京にはほとんど存在していないのではないだろうか。
障害者スポーツ施設も王子にあるのだが、「健常者」、「障害者」という二元論で判断するのは上記に書いたように特性を理解しないで主観的判断に他ならない。しかも王子からはバスに乗らないと通えない距離なのでどうしても足が向かない。埼京線では東十条からは歩いて行かれる距離だが、乗り換えなくてはいけないので立地的には不便な場所にある。
東京都の一般のスポーツ施設、区のスポーツ施設も単独で利用しているが、この施設では受け入れられなかった。東京都や区の施設も財政状況は厳しく、スタッフの不足は同じである。あまりに説得力に欠ける回答だった。

Q 同伴者がいたら入会は可能なのか。

A 同伴者がいれば使用可能。

私の見解 A 同伴者は同一の者でないとその都度入会金を支払わなくてはいけないので事実上無理である。なぜなら同伴者が毎回違った場合、その都度月料金を支払わなくてはならない。なぜ同伴者だけでも使用料を徴収するのか。
同伴者がプールに一緒に入った場合、使用料を徴収しなくてはならないからという理由。
ここでは若干の説明が必要となる。デイタイム会員は月一人7250円。同伴者に同行してもらうのは私としては納得もいく点もある。特に数回は慣れも必要になる。
しかし、同伴者を依頼する場合、その都度同伴者が変わるので、その同伴者について月7250円の料金をそれぞれ支払わなくてはいけない。20回行ったところで14万5千円かかってしまう。事実上無理な話である。施設側は同伴者がいれば入会は断らないので差別ではありませんと言うかもしれない。視覚障害者の場合、歩行などのガイドは毎回違う人にサポートしてもらう。家族がいても、家族が4人いた場合、毎回違う家族が同伴すればその家族の一人一人の入会金を払わなくてはいけない。
余談になるかもしれないが、しかも入会を申し込んでから1ヶ月入会の許可が下りるまで時間がかかるという。営利組織であれば率先して即日入会をしなければ客足は遠のくのではないかと経営方針も首を傾げたくなる。なぜ一ヶ月もかかるのかは不明。

Q 過去に「障害者」といって断ったケースがあったのか。
A 障害者が来た場合、王子のスポーツセンターに行ってくださいと断っている。

私の見解 いつでもだれでもが利用できる施設は理想像としてあるが、車いす使用者がどこまで施設のインフラが整っているかは不明。最初の設計段階として、バリアフリーの建築の概念が無かったことであると推測される。
日本の障害者の数は約6%という統計がある。これを三菱グループ二十万人に当てはめてみると一万二千人にも及ぶ。そこにサービスがないのはやはりナンセンスであろう。

Q 東京都や豊島区の運営する施設は一人で利用出来るが、なぜ一人で利用出来ないのか。
A 都と区は助成金をもらっているのでスタッフが揃っているのではないかと施設関係者。

私の見解 東京都の施設は民間委託だが恐らく入札制度で経営は損益分岐点のギリギリの情況であるのは推測するべくもない。前述のように周囲とのコミュニケーションがとれれば全く問題は無いのにと説明をしたが回答は同じ。

Q 東京にオリンピック・パラリンピックが2020年に開催されるが、いわゆる「障害者」もアスリートとして出場を目指している。いわゆる「障害者スポーツ」をトレーニングする場所は今後施設としてどのように文化の促進をしていこうというのか。
A施設側のスタンスとしては「普及」、「振興」、「人間育成」という回答

私の見解 いわゆるステレオタイプ的の「障害者」を断るのは上記の回答ではここではその回答に矛盾する。

総論として

東京にスポーツ文化を根付かせるのは「土地が無い」などの理由が多く述べられる。それは見えている時にスポーツをしていても同じ状況であった。
話は逸れるが、アメリカでジムに入会をしようとすると日本では断られるケースが多くあるということをジムの関係者に話をしたら非常に驚いていた。もちろん使用をさせて頂いた。
アメリカにはADLという人権擁護の法律が定められている。
日本はナンセンスに入場を拒否されるレストランなど多く存在する。マインドが変わらなければそういう法律で誰でもが利用できるように義務化する必要もあるのではないだろうか。そのような法律が無くても変化が起こらないのは残念の極みである。
そこを改善しなくて東京にオリンピック・パラリンピックを誘致して、スポーツ文化が根付くのかこれからの施設の体質改善に期待したい。

キャンディーズインターナショナル株式会社
代表・作家 石井宏幸
http://candiesinternational.com/

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